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2008年八月のつれづれ

つりしのぶを軒先に…

軒先の釣り忍体にこたえるような猛暑から、一転。
秋のように涼しいやら、長引く雨に少々うんざりさせられる日が続きます。
今日は、やっと晴れ間が見え、ほっとひと息というところです。

小松屋の軒先に、涼しげなつりしのぶを掛けて、せめてもの涼を求めています。

このつりしのぶですが、実は、前々から欲しかったのですが、なかなか見つからない。やっと、小岩の朝顔市で見つけました。

井桁に組んであったり、帆掛け舟の形をしていたり…

私の幼いころには、夏を迎えると、町の商家に限らず、一般家庭の軒先にも多く掛けられていた記憶があります。

涼しげな風鈴の音と共に、おじさんが、リヤカーにいっぱいのせて売りにきていたものです。

今は、探さなければ手に入りにくいのですね。

まあ、ビルやマンションのベランダに吊るしても、昔ながらの風情は求められないのでしょうが…

ちなみに、時々、お客様に不思議がられます。「あまり、風鈴の音がしないね〜。どうしてだろう?」と、しげしげと眺めています。

その理由、実はあります。

夏の間、夕方から夜にかけては、気持ちの良い川風が吹き渡ります。となると、風鈴が鳴りっぱなしになってしまい、かえってご近所に迷惑をかけてしまうため、ほんの少し、細工をして、あまり鳴らないようにしているのです。

たまに鳴るから涼しく感じられるので、のべつまくなし響いているのは、結構うるさく感じられます。

もちろん、閉店時には、店に仕舞っていきます。

そう言えば、売り手の人に聞いたのですが、冬場は、このつりしのぶをしまっておいて、また夏に甦ることができるそうです。

チャレンジして、来年もこのつりしのぶが小松屋の軒先に揺れるかどうか、はてさて、お楽しみに。

2008年8月27日
純

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