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このページでは舟宿にまつわるいろんなお話、屋形舟の歴史をご紹介しております。
不定期ではございますが少しづつ更新して参りますので、お楽しみください。ぜひご意見・ご感想などお寄せください。

二つの小松屋

手前「佃煮小松屋」、奥「舟宿小松屋」神田川を挟んで柳橋のたもとに二つの小さな建物があります。
一つは「舟宿小松屋」そしてもう一つは「季節の佃煮 小松屋」です。
住所でいえば「舟宿小松屋」は中央区東日本橋になるのですが、柳橋を渡った向かいの「佃煮小松屋」は台東区柳橋になります。

名前が同じなのは、勿論故あってのことです。私たちは親戚なのです。先代の兄、つまり伯父が昭和二八年に開いた店です。

昔、舟宿は冬の寒い季節にはあまり舟のお客様がありませんから、副業として海苔を採ったり、「鮒のすずめ焼き」や佃煮を作って販売しておりました。また親類が佃煮の専門店をしていましたので、伯父はそこで修行し、この地で開業したのです。

両方とも同じ小松屋ですから間違えられる方も多く、こちらに佃煮をお求めにみえたり、屋形舟に乗りたいとあちらの小松屋へ行かれたり。
しかも、取材の方も間違えて記事にされたり、放映されたりして大変困ることもあります。
お客様にご迷惑をおかけしないようにと気を付けておりますが、以後、覚えて頂ければと思います。

ついでながら「鮒のすずめ焼」についてご説明しておきましょう。
小鮒をさばいてひらくと、ちょうどスズメのような形に見えます。それを串でさして焼いたものを「すずめ焼」と言っていたようです。ついつい親戚で話す時に「すずめ焼きの小松屋」と言ってしまいます。
ちなみにこの「すずめ焼き」ですが、12月だけの季間限定で販売しているそうです。

今、佃煮の小松屋では「一口穴子」が好評で、よくテレビや雑誌でも取り上げられているようです。(この間は氷川きよしさんが見えられたようでした)
小松屋の佃煮は舟のお客様にもお土産に、ご好評いただいております。(と、随分宣伝しておきましたので、いとこには今度おごってもらいましょう)

浅草橋からみる二つの小松屋
神田川から隅田川に向かって左側が「佃煮の小松屋」、右側が「舟宿小松屋」です。屋形舟と佃煮、いずれも末永くご愛顧いただければ――よろしくお願いいたします。

2004年10月16日
2006年12月14日加筆

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