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このページでは舟宿にまつわるいろんなお話、屋形舟の歴史をご紹介しております。
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六月の花嫁

六月は梅雨、あじさいと雨の季節ですが、「ジューンブライド」結婚の季節を連想される方も多いでしょう。

最近は自分たちの思い出に残るような結婚式や披露宴をしたいということで、ユニークな趣向をこらされているようです。

そのためでしょうか、私どもの屋形船で披露宴をご希望されるカップルの方が多くなってきました。
遠方よりみえる お二人のご親族の方に東京見物を兼ねていたり、お友だちの主催パーティーだったり、形にとらわれず楽しまれています。

そういえば五年程前のこと。
梅雨には珍しくさわやかに晴れ上がり、青空をのぞかせたある日曜日。

神前結婚式を終えられた新郎新婦が神田神社から人力車にゆられ、秋葉原、靖国通りと来る道すがら、行きかう人々に祝福されながら、30分ほどかけ、柳橋に向かってこられました。

新郎新婦そして待ち受けるご親族、お友達のもとへ到着したその時。たまたま柳橋を外国の方々が渡ってこられました。

花嫁の文金高島田・打掛姿、新郎の羽織・袴で人力車を降りてくる姿に、外国の方々もめずらしかったのでしょう。 駆け寄ってこられ、拍手で祝福の和に加わりました。

今ではなかなか見ることのできない、風情のある様子に皆さん興奮しているようでした。思わぬ飛び入りの祝福に、照れながらもホントに幸福そうなお二人の笑顔が印象に残っております。

屋形船での披露宴も和やかに過ごされ、お帰りの際に「本当にすてきな結婚式でしたね。」と申しましたら「みなさんに声をかけられ、うれしいような、はずかしいような…いやあ、参りました。」とお婿さん。その困ったような顔に思わず皆で大笑いでした。

お二人の旅立ちの一歩。すてきな思い出になりますようにと願っております。

2003/06/24

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