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このページでは舟宿にまつわるいろんなお話、屋形舟の歴史をご紹介しております。
不定期ではございますが少しづつ更新して参りますので、お楽しみください。ぜひご意見・ご感想などお寄せください。

えっ、そんな・・・

今までの今昔のタイトルとは違って、それこそ何だろうと思われるでしょうが、 今回は私たちが、本当に驚いた出船(でふね)にまつわる話を少し。

ある夏の夜、お客様は会社の取引先のお集まりとのこと。幹事さんがお客様を出迎え、舟にご案内しました。すると、船内にいた幹事さんから 「船頭さん、席が足りないよ」と声をかけられました。

「えっ、伺った人数で席を作りましたが、増えましたか?」すると「増えていないはずだけど、おかしいなぁ」名簿片手にお客様の確認をしましたら、誰も知らない方がひとり、座っていました。 幹事さんも船頭さんもびっくり!

屋形舟乗舟之図「なぜ、舟に乗ったのですか?」と訊ねたら「みんながぞろぞろ乗っていたので、私もくっついて乗りました」との返事。 たまたま、通りすがりの人がお客様にまぎれて乗ってしまったようです。丁重にお話ししてお引取り願いました。

さて次は、全く逆のお話。
秋の行楽シーズン、バスから40数名の団体さんが降りてこられました。
そのまま舟にご案内し、最後に乗ろうとしていた幹事さんに「みなさん、おそろいでよろしいですか?」と声をかけました。「えぇ、みんなバスから揃って降りましたから」

「いってらしゃいませ」の見送りの言葉と共にお台場めざして舟は出て行きました。
ところが10分後。舟からの無線。 「お客様がひとり、足りないと言うんですが、桟橋に残っていますか?」
「えっ、誰も残っていないけど・・・」

あわてて外に出て辺りを見回してみると柳橋をのんびりと渡ってくる男性が。思わず物問い顔で近寄っていくと「いやぁ、そろそろ舟は出ますか?」
一体どちらにいかれたのか聞きますと「ぶらぶら散歩していました」
無線で舟を呼び戻し、今度はお揃いになって乗船されました。

そういえば、よくある勘違いもひとつふたつ。

はりきってお見えになられたご夫婦二人連れ。「楽しみで楽しみで」と満面の笑顔です。
「あの、明日ではないでしょうか?」とおそるおそる訊ねますと 「いえ、今日の5時から。このプリントに書いてありますよ」と差し出されたプリントには、はっきりと翌日の日付が。

出船時間近くになってもあと数名がなかなか揃いません。店の電話がなり「どこを探しても小松屋さんが見つからないんだけど、どこにあるんですか?」
「今どちらにおいでですか?」
「浅草で降りて、川のそばです」
「浅草ではなくて、浅草橋ですが・・・」
『浅草』と『浅草橋』を間違われる方が結構いらっしゃいます。そして隅田川ではなく神田川です。

年に1,2回はある「えっ、そんな・・・」
過ぎてしまえば笑い話ですが、その時々思わず絶句してしまう、そんなお話でした。

2008年2月9日

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