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このページでは舟宿にまつわるいろんなお話、屋形舟の歴史をご紹介しております。
不定期ではございますが少しづつ更新して参りますので、お楽しみください。ぜひご意見・ご感想などお寄せください。

水神祭

水神祭前回、舟宿のお正月についてご紹介しましたが、これも年初めの恒例行事「水神祭」のお話をいたしましょう。

水神祭は東京内湾の漁協の組合員が一年の安全と豊漁を祈ってお払いを受ける神事です。今年は1月9日に行われました。

当日は大変天候に恵まれましたが、とても寒い日でした。小松屋は東京内湾の漁協六支部のうち『中央隅田漁業協同組合』に加盟しており、今回当番に当たっておりましたので屋形舟を出すことになりました。場所は、京浜運河なぎさ公園付近の水域、大井競馬場のそば。

船上に集まってお祓いをうけます
船上に集まってお祓いをうけます
ここに屋形舟や漁船、釣り船など様々な船が大漁旗、依代(よりしろ)をつけ内湾各支部の船が集まります。

以前は船もたくさん集まっていましたが、最近は屋形舟を仕立てて、そこに各支部の組合員がまとまって乗り込むため、船の数は少なくなっているようです。お払いを受けるため神主さんにきていただきます。午前中に船が集まり、お昼前にお祓いを受けるのです。

舟宿が漁業組合?ちょっと不思議に思われる方に少しお話を付け加えましょう。

現在は屋形舟も大型になり冷暖房完備となりましたので、一年中楽しんでいただけるのですが、昔は舟も小さく、夏は障子を開け放して川風に吹かれ、冬は手焙り火鉢や練炭のこたつで暖をとったものです。となりますと冬の間は、やはり屋形舟の出番は少なくなります。一年を通して漁をし、投網を打ったり、釣り船、汐干船(潮干狩り)を出していました。冬は佃煮をつくったりして生活していました。

また、北西の季節風の特に寒い日を選んで海苔掛けもしていました。実はこれがきっかけなのです。船宿の同業者たちで本格的に海苔の根付けから始めようと、中央隅田漁業協同組合ができて今に至っております。

2004年1月26日

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